そろそろ猫と住む家が欲しいなぁ
またいきなり思いついたね
いやぼんやりとは考えてたんだけどさ、動きださないとはじまらないよね、と思って。
でもくるりさんが建築士だから私は安心だよね
また、丸投げのやな予感…
そんなこと言ってるけど、家を建てるのには施主側もたくさん考えて決めていくことがあるんだよ
そうなの?土地買って、設計プランたてて…だけじゃないの?確かに何から始めればいいんだろう…
そんな建築初心者のおでこにもわかるように、今回は家づくりの全体の流れがわかるように説明するよ
おでこ:建築素人の家事が苦手な主婦
くるり:建築業界20年以上の、湿気と戦う天然パーマ建築士の夫
1.家づくりの基本的な流れ
家づくりと言っても何から始めればいいかわからないという人も多いですよね。なので今回は家づくりの基本的な流れを解説していきます。
家づくりを成功させるためには計画的なアプローチが不可欠です。
全体的な流れなので発注する会社によっても順番が前後する可能性もあります。
①資金計画をして予算を決める
家づくり成功の第一歩は、現実的な予算の設定です。
予算は、土地の購入、建設コスト、内装、設備、家具、その他かかる費用を含めて考える必要があります。
住宅ローンの借入目安は年収の7〜10倍と言われています。今後の人生プランに合わせて考えていくのがよいでしょう。
②実現したい住宅のイメージを考える
どんな家に住みたいのかイメージを固めるためにも情報収集が必要です。
情報収集をするには、住宅展示場や内覧会に足を運んだり、WEBサイト・SNS・Youtubeなどを参考にするのがよいでしょう。
③ハウスメーカー・工務店・設計事務所を選ぶ
家づくりをおこなってくれるハウスメーカー・工務店・設計事務所を探します。モデルハウスや住宅展示場を見学したり資料請求をしてから問い合わせてみるのがよいでしょう。
より自由に家づくりをしたいと考えるのならば設計事務所を探し、注文住宅が叶う建築家に相談されるのもおすすめです。
家づくりを依頼する業者の決定までは、予算とイメージが固まったあとから1ヶ月弱くらいを目安に考えておきましょう。
④土地を探す
インターネットや工務店、建築家にも依頼しながら徹底的に土地の情報収集を行いましょう。
大切になるのは「エリア」と「予算」です。さらに家を建てる目的も明確にし、叶えたい条件に優先順位をつけましょう。
例)家を建てる目的:子育てがしやすい・老後も安心して住める など
叶えたい条件:幼稚園、学校が近い場所・通勤のアクセスが良い場所・家庭菜園ができる庭がほしい・駐車場を大きくしたい など
土地の「用途地域」「建ぺい率」「容積率」「建築制限」などもあるので工務店や建築士に相談しながら進めましょう。
土地探しに要する期間は3ヶ月〜1年くらいが目安となります。
⑤土地の買付申込書
気に入った土地がみつかったら、土地の買付申込書(買付証明書)を提出します。
条件のよい土地はすぐに買付申し込みがされる可能性があるため、気に入った土地がみつかったら、なるべく早めに買付申込書(買付証明書)の提出をおすすめします。
⑥住宅ローンの事前審査申し込み
住宅ローンを組むためには、金融機関による事前審査と本審査を通過しなくてはなりません。住宅ローンは住宅の購入が決定した後に契約となるため、住宅の売買契約が終わっているのに支払いができないと本人はもちろん物件に関わるすべての人に損害を与えることになってしまいます。
住宅ローンの事前審査では、年収やローンの利用状況、借入金、返済期間など、さまざまな情報から申込者の返済能力や信用力の審査が行われます。早ければ審査を申し込んだ当日、金融機関や申し込み内容によっては1週間程度で審査結果が通知されます。
⑦土地の売買契約
土地の売買契約とは、土地購入の際に書面を介して契約を結ぶことです。
契約内容がまとまった時点で、売主と買主とで契約書の内容確認をします。最終確認がすむと契約書に署名、押印をして、手付金や仲介手数料の支払いがあります。
手付金は土地価格の一部であり、土地価格によって金額も異なります。相場は「売却価格の5〜10%」または「100万円」と設定されることが多いです。万が一契約後にキャンセルをした場合、手付金は返還されません。
また、手付金の他にも売買契約書には印紙を貼る必要があります。印紙代などの諸費用が別途必要となる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
⑧敷地と地盤の調査
敷地調査とは、その土地に希望する住宅を建てられるかどうか、電気・ガス・水道の引き込み方法や日照の影響などを調査します。
地盤調査とは、その土地の地盤強度が適しているかを調査します。
地盤の強度が基準をクリアしなかった場合は、地盤改良工事が必要になります。
⑨間取りの打ち合わせ
実現したい住宅のイメージを、依頼先のハウスメーカー、工務店や設計事務所と固めていきます。
ここで要望をしっかり伝えて、何が実現可能か、どうすれば理想に近づけるかしっかり話し合う必要があります。予算と理想の擦り合わせも必要になってくるので、要望の優先順位を考えておくこともおすすめします。
打ち合わせからプランを確定するまでは、2〜3ヶ月を目安に考えましょう。
⑩住宅ローンの本審査申込み
間取りの打ち合わせで予算が固まって来たら、住宅ローンの本審査の申し込みに進みます。事前審査よりも厳密な審査が行われるので、事前審査よりも多くの書類の提出が求められるのであらかじめ確認しておくのがよいでしょう。
⑪工事請負契約の締結
ハウスメーカー、工務店や設計事務所によっても必要書類は異なりますが、多くの書類作成が必要となります。工事請負契約書は契約を締結するだけでなく、さまざまなトラブルを回避する目的があります。締結後のトラブルを防ぐためにも、各書類はきちんと確認しましょう。
⑫確認申請提出
計画している建物が建築基準法に沿っているか審査するために「建築確認申請」の手続きが必要です。間取りのプラン変更などがあると、再度、申請する必要があります。再度申請するには時間と費用が追加発生するので手続き前にしっかりとプランを固めておきましょう。
⑬着工
着工前には、近隣住民への挨拶や地鎮祭を行います。
そこから住宅のタイプによっても異なりますが、建売住宅で7ヶ月、注文住宅で12ヶ月前後、早ければ約4〜5ヶ月で完成(竣工)になります。
⑭引渡し
引渡しの前に、竣工検査に立ち合い、住宅に不具合や施工ミスがないかを確認しましょう。このとき、もし契約内容との違いがあれば、引き渡し前に補修が行われます。
入居までに要する標準的な期間は、1年〜1年半程度と言われていますが、場合によっては2年程度かかる可能性もあります。途中でプランの変更があったり、なかなか打ち合わせが進まなかったりする場合は、さらに期間が延びる可能性もあるでしょう。
2.家づくりの資金計画を考えよう
家づくりには想定しているよりもお金がかかってくるものです。予算を絞りすぎて理想を諦めるのももったいないですが、ある程度余裕を持って考えることは自身のライフスタイルを有意義にするためにも大切です。無理せずにこれからの新しい生活を楽しむ意味でもきちんとした資金計画を考えましょう。
①お金を支払うタイミングと流れ
家づくりの流れ
土地を探す
↓
住宅ローンの事前審査申し込み
↓
土地の買付申込書
↓
土地の売買契約:土地代金精算(契約金額の1/4または10%程度)
↓ 諸費用:契約の印紙代・仮住まい費用・引っ越し代
敷地と地盤の調査
↓
間取りの打ち合わせ
↓
住宅ローンの本審査申込み:契約金
↓
確認申請提出 諸費用:確認申請手数料
↓
着工:着工金(契約金額の1/4または30%程度)諸費用:地鎮祭・上棟金(契約金額の1/4または30%程度)諸費用:大工さんへのご祝儀
↓
引き渡し:最終金(契約金額の1/4または残金全て)
諸費用:住宅ローン手数料、引っ越し、家具・家電購入費、登記費用、火災保険料など
②家づくりにかかるお金と内訳
家づくりで建物本体(土地を除く)にかかるお金を100%とした場合、大きく3つに分けられます。
本体建築費用 70%:家本体を建てるための資金
付帯工事費用 20%:家本体以外、既存建物解体工事費・家の設備・地盤調査、水道などを含む。
諸費用: 10%:契約や保険、ローンの手数料など。引っ越し費なども含む。
③土地購入かかるお金
土地購入にかかる費用はエリアによって価格差は大きくあります。
土地購入にかかるお金は実際の土地代の他にも諸経費が必要になります。
・仲介手数料:土地の売買契約にかかる手数料
不動産売買の仲介手数料とは、不動産の売却や購入の仲介を依頼した不動産業者に「成功報酬」として支払う手数料です。
仲介手数料の上限は法律によって定められています。
成約価格
「200万円以下」の場合「成約価格の5% + 消費税」
「200万円超〜400万円以下」の場合「成約価格の4% + 消費税」
「400万円超」の場合「成約価格の3% + 消費税」
で計算し、それらの数値を加算した額が上限額となります。
・印紙税:売買契約に必要な収入印紙
契約金額 | 収入印紙 |
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 2万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
参照:国税庁「土地売買契約書」
・登録免許税:土地の登記変更に必要な税金
土地の固定資産評価額をベースに算出。
登録免許税額=不動産の固定資産税評価額×税率(不動産の価額:税率1,000分の20)
司法書士への報酬は5万〜8万円程度。
3.家づくりのための情報収集方法
家づくりにおいて情報収集は、自分または家族の理想を叶えるためには大切なことです。ハウスメーカー・工務店・設計事務所は家を建てるお手伝いをするわけで、理想を叶えるポイントはあなたや家族の中にあります。情報収集を通して理想を現実へと近づけていきましょう。
①住宅展示場で情報収集
住宅展示場では大手のハウスメーカーや工務店などが一つの場所でモデルハウスを展示しているため、効率よく見学することができます。インテリアや設備が入った状態で見学ができるので実際に住んだ場合のイメージが浮かびやすいのが特徴です。自分が知らなかった空間の使いかたや設備などの知識を増やすのにもおすすめです。
②完成・構造見学会
完成見学会は、実際にお客さまの依頼から建てられた家を引き渡す前に一般に公開するイベントです。お客さまの意見で実際に建てられているので、建売やモデルハウスと違い、より現実味をもった家をみることができます。
その住宅会社の強みや特徴、こだわりなどチェックできるのでよりリアルな現場を体験できます。
また、構造見学会ではどのような構造で建てられているかを実際に見学できます。
耐震性や断熱性、仕事の丁寧さなど建ってしまうとみえない部分も確認することができるので疑問点や不安の解消にもつながります。
③住宅セミナー
住宅セミナーは資金計画や間取り、素材選び、不動産購入など多岐にわたって開催されています。正しい知識や情報を得ることで判断材料を増やすことができます。さまざまな住宅セミナーに参加することで営業に流されることなく、住宅会社の良し悪しを見極めるときにも役にたつでしょう。
④インターネット検索
インターネット上には、家づくりに役立つ多くの資料や情報がたくさん掲載されています。
また、「地域名 + 工務店」「地域名 + 設計事務所」で検索すると、その地域に根付いた工務店や設計事務所を調べることができます。
家づくりの情報やプランを提案するウェブサイトやブログ、SNS、Youtubeなどがたくさんあります。
住宅会社のホームページから資料請求、住宅ポータルサイトで口コミや比較、ブログで失敗談や体験談、インスタグラムでデザイン例や活用法など、多岐にわたって情報を網羅することができます。
⑤書籍・住宅雑誌
家づくりの知識を増やすために書籍や雑誌を読んで知識を増やすのも良いでしょう。
種類もたくさんあるので図書館で探してみるのも一つの方法です。ただ、設備など日々建築現場も進化しています。最新情報も取り入れるよう心がけましょう。
⑥家づくりノートをつくって情報をまとめる
さまざまな情報収集の方法をご紹介しましたが、ただインプットだけしていると抽象的になってしまいます。そんなときに「家づくりノート」を活用するとイメージをより具体化していくことができます。
イメージをノートに書き出す。情報をノートにまとめる。画像も一緒に貼る。
家づくりノートを作成することで家族内での共有もしやすくなり、工務店や設計事務所に自
分の理想のイメージも伝えやすくなるのでおすすめです。
4.家づくりの会社を選ぶコツ
家づくりの会社を選ぶということは、あなたや家族の夢を叶えるパートナーを選ぶということです。理想の家を叶えてくれる自身のプランにあった会社を探しましょう。
①大手ハウスメーカー、工務店、設計事務所のメリット・デメリット
大手ハウスメーカーのメリットとして経営基盤が大きいので倒産の心配が少ない、モデルハウスや拠点が多い、耐震性や断熱性など住宅の性能が高い、アフターフォローが充実しているという点があげられます。
デメリットとしては平均的な相場より坪単価が高い傾向にあります。またプランや規格を統一しているケースが多いので細かいところで自由にこだわりを持てないという点もあります。
工務店は地元に密着している点が特徴になります。
メリットとしては自由度が高い、比較的価格を抑えやすい、地域の特徴や風土に考慮した家づくりができる点です。
一方、品質にばらつきがあったり、メンテナンスの費用が規格でつくられていないので高くなるというデメリットがあります。
設計事務所では、建築士とダイレクトにプランをつくり上げていく完全オーダーメイドになるので自分のこだわりを持った人にはおすすめです。工事を行う工務店を建築士が設計管理することでお客さまの代わりとなって厳しい目で現場を管理するという点もメリットといえます。
デメリットとして工事の金額がすぐに確定しない、完成までの時間がハウスメーカーや工務店より長くかかる、土地探しは自分で行うパターンが多いという点です。
②参考事例のチェック
家づくりの会社を選ぶ際、その会社が過去に手がけた参考事例をみることは大切です。参考事例を通じて、その会社のスキル、デザイン性、品質を確認することができます。
各会社のウェブサイトやカタログ・資料などをたくさん取り寄せて、建物の内部と外部の写真、設備の対応など、あなたの希望に合うかどうかを注意深く確認しましょう。
できれば建設中や完成した建物を実際に訪問しましょう。建設現場では建設の品質や進捗状況を確認できます。また、完成した建物を見学することで、実際の仕上げやデザインを確認することができます。
設計事務所が引き渡し前に開催しているオープンハウスなどは、施主さんとお話できる機会もあるため実際の声が聞けるので参考になるでしょう。
③複数の見積もりを比較
家づくりを成功させるためには、信頼性のある会社を選び、予算内で進めることが大切です。その際、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
異なる会社からの見積もりを比較することで、かかるコストや提供されるサービスなどについても確認することができます。
5.間取りや設備のプランを考えよう
人が生活する上で個人や家族の動きの流れはつきものです。人によって生活リズムもかわります。その流れを考えることで理想の家づくりのヒントはたくさんみえくるでしょう。
①使いやすい間取りの設計
家づくりにおいて、使いやすい間取りの設計は非常に重要です。
生活の設備、収納、部屋数、導線など、家族やライフスタイルに合った空間をつくることが、快適な生活を実現する鍵となります。また、吹き抜けや中庭などそれぞれのこだわりポイントをきちんと取り入れることも意識しましょう。
まずは、自分の理想を整理するために部分的な間取りのイメージをつくってみましょう。
こんなときにも「家づくりノート」が役に立つでしょう。
部分的な間取りのイメージ例
・玄関の横に小さな収納部屋をつくる
・リビングに隣接して小さな書斎をつなげる など
各会社がホームページなどで公開している間取りや折り込みチラシなども参考になります。間取りのまとめサイトなどもあるので色々なパターンを検討できるでしょう。
②間取りの設計のポイント
1. ライフスタイルを考慮
最初に、あなたや家族のライフスタイルを考慮しましょう。どのような動きを頻繁に行うか、どの部屋をどのように利用するのかを考えましょう。例えば、料理が好きな場合はキッチンやダイニングの設計を重視し、テレワークでホームオフィスが必要な場合はそのスペースを確保するなど、個々のニーズに合った設計を考えましょう。
2. 間取りの効率性を追求
使いやすい間取りを考える際には、効率性を重視しましょう。部屋やスペースの配置が効率的であれば、家事や日常生活がスムーズに行えます。例えば、キッチン、洗濯室、バスルームなど、頻繁に利用されるスペースは互いに近接して配置することで、移動時間を短縮できます。
3. 開放的なデザインと自然光を活用
間取りの設計において、開放的なデザインと自然光の利用は大切です。開放的なデザインは広々とした印象を与え、居住空間を快適に感じさせます。また、十分な自然光を取り入れることは、室内環境を明るく保つのに役立ちます。
4. 将来の生活の変化に考慮
家づくりは長期的な買い物なので、将来的な変更を考慮することも大切です。将来的に新しい家族構成やニーズが変わる可能性を考え、設計に余裕を持たせることも視野に入れましょう。
使いやすい間取りの設計は、家づくりの成功に不可欠な要素の一つです。家族やライフスタイルに合った間取りを検討し、快適で機能的な家を実現しましょう。
6.まとめ
こんなにもやることがあるなんて考えてもみなかったよ
全体の流れがみえないと余計な時間のロスも考えられるから、まずは流れを把握した上で計画することをおすすめするよ。
土地と建物以外にもたくさんお金がかかるんだね
建てた後も住んでいるうちにメンテナンスも必要になるから余裕を持った資金計画は大事だよ。
後悔しない家づくりには情報収集はとても大事だよ。自分の住む大切な家だからこそ、きちんと向き合わないとね。(人に丸投げしないで…)
はーい
(…)今回は全体的な流れとお金、会社の選び方や間取りについての説明だったけど、もっとおでこが家づくりに向き合えるようにわかりやすく解説していきます。
コメント